一人娘に甘い夫

娘夫婦が家を買ったのは5年前、格安で買えたのは再建築不可な家だから。
娘、「家を直して」
娘が頼りにするのは、大工の父親。
父親(夫)、「安い家を買うから直さなくてはならんのだ!」
結婚して家を出た子でも、娘のことが可愛い夫は自腹で娘夫婦の家を直した。
家を直して暫くすると、娘に子供が生まれ、私達夫婦に初孫が出来た。
私、「何処へ行くの?」
夫、「ちょっと」
私、「ちょっとって何処?」
夫、「仕事だよ」
仕事と言った夫は、大工仕事に必要な工具を持って家を出た。
いつもなら、昼に御飯を食べに戻る夫が帰って来ない。
夫の携帯電話に掛けると、赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
その日の夕方
私、「また、赤ちゃんを見に行ってたでしょ?」
夫、「違うよ。赤ちゃんがハイハイ出来るよう部屋をリフォームしに行ってんだよ」
赤ちゃんのところへ行くなら、私も連れてけよ!
夫婦で赤ちゃんを見に行くと
娘、「お父さん、しょっちゅう来るなら家の外壁塗装をしてよ」
私、「お父さんは大工よ」
娘、「大工なら家の外壁塗装くらい出来るでしょ?」
夫、「今、外壁塗装くらいって言ったか?」
マズイ。
夫、「赤ちゃんのためにリフォームをしてやったけど、本来なら大工がする仕事じゃないんだぞリフォームは!」
娘、「ちゃちゃっと塗ってくれるだけで良いの」
夫、「バカヤロー!職人を何だと思っているんだ!腹が痛くて眼科に行く奴がいるか?赤ちゃんが生まれるのに皮膚科に行く奴がいるか?行かねえだろ!それと同じ、家の外壁塗装は塗装業者さんがやるの!」
職人である父親に謝った娘は、家の外壁塗装を業者さんにお願いした。
職人である夫は、赤ちゃんを抱っこしながら塗装職人の仕事っぷりに感心。
その横で
娘、「お母さん、外壁塗装代を半分持って」
私、「どうして私が半分持たないといけないの?貴方達の家でしょ」
夫、「出してやれ」
私、「えー!?」
孫はまだ赤ちゃんで見えているかも分からないのに、祖父母である私達が孫の住む家の外壁塗装代を出すはめになりました。

コメントする